この記事を見ているあなたは管理職でしょうか?

それとも部下の方でしょうか?

 

私は日本の管理職の大多数が「管理のできない管理職」だと思っています。

正しくは「マネジメントのできない管理職」です。

 

少々余談ですが、管理とマネジメントは異なります。

辞書で「management」を調べても「管理」とは出てきません。

これを見ても、欧米のいうマネジメントの在り方と、日本のいう管理の在り方は異なっています。

 

話を元に戻し、役職について考えてみたいと思います。

営業が苦手な人ばかりが会社にいたらどうなるでしょう?

→売上が伸び悩みます→だから会社の営業職には営業が得意な人を置きます

経理が苦手な人ばかりが会社にいたらどうなるでしょう?

→会社の経理が破たんします→だから会社の経理(会計)職には経理が得意な人を置きます

では、管理が苦手な人ばかりが会社にいたらどうなるでしょう?

→社内が統率されず混乱します→だから管理職には管理が得意な人が…?

 

ここで矛盾が生じます。

あなたの会社では、管理職の人が管理が得意でしょうか?

あなたの会社の管理職は、

部下が今何の仕事をしていて、あとどのくらいで終わるかわかってますか?

部下が今作業をしている以外に抱えている仕事は何で、どのくらいあるか把握してますでしょうか?

新しいプロジェクトが入ってきて、そのプロジェクトに誰をアサインしてどのくらいの工数をかければ完成するか見積もりが立てれられるでしょうか?

恐らく半分以上がそのようなことに関心がない人たちでしょう。

ヒト・モノ・時間をコントロールするマネジメントという意味では、日本の9割の管理職ができていません。

 

では、なぜ管理のできない人が管理職になってしまうのか。

これは、日本が戦後終身雇用制と年功序列による給与体系を運用してきた弊害があります。

日本の官僚システムもそうなのですが、

日本の会社では一旦入社すると定年まで雇い入れる必要がありました。

しかし、社長は一人、取締役もたくさん必要ではありません。

しかし、日本の労働基準法では、がんばっている社員をクビにすることもできず、

かつ、平社員のままでは給与の差が出ず、がんばっている社員が不満爆発されても困るわけです。

なので、昔労働組合が強かった時代は、経営者側に付かせたい社員はさっさと幹部にして味方にしようと思った経営者も少なくなかったでしょう。

もちろん、会社としても、部署をまとめる人をリーダーに就けたいというごく自然な願いで管理職にしたというのもあるでしょう。

いずれにせよ、会社を長く運営するために管理職という役職が必要だった訳です。

 

その管理職になるための条件は

・入社年次が長く経験が豊富であること

・部下からの信頼が厚いこと、面倒見がいいこと

・その部署で使われている技術スキルが高いこと

このような基準により管理職に選ばれます。

そのため、日本の管理職はタスクマネジメントがとても劣っています。

タスクマネジメントとは簡単に言えば、一つのタスクを処理するために必要なヒト・モノ(機械・道具)・与えられた作業時間という労働資源を有効にコントロールできる能力のことを言います。

このタスクマネジメントを全く意識していない人が管理職になってしまっているので、社内が混乱し、生産性が悪くなり、必要以上の労働時間がかかってしまうのです。

 

このタスクマネジメントを含む「マネジメント」「管理」に関しては、日本ではほとんど注目されていません。

なぜなら、日本では管理部門は非営業部門であり、お金を稼ぐことに熱心な日本人の経営者は非営業部門に力を入れることがなく、マネジメント教育が不十分なことが多いのです。

 

企業の本来の目的は売上を伸ばすことでなく、最高の利益を出すことのはずです。

「売上 - 経費 = 利益」という、簡単な計算式がわかっているはずなのに、売上を上げるためにたくさんの宣伝費をかけたり、売れ残るほどの商品を作って無駄な経費を生み出したりしている会社が多いのです。

このような計算式も、タスクマネジメントが分かっている管理職がいれば当然理解でき、会社の利益も膨らんでいくのに、タスクマネジメントがわかっていない管理職ばかりの会社ではいつまで経っても利益が増えないのです。

 

にもかかわらず、能力のない管理職が「俺は偉いんだ!」と勘違いしてパワハラ・セクハラ・マタハラなどの問題行動を起こします。

※もちろん、経営幹部と部下の板挟みにあっている真面目な中間管理職の方も大勢いると思います。その人たちも、タスクマネジメントの技術を身につければ自身の負担は軽くなるのですが、その技術を知らないから苦労している訳です。

以上のように、今の日本の会社には管理ができない管理職で溢れかえっています。

これが日本の労働生産性が上がらない原因になっているのです。