今騒がれている残業代ゼロ法案が施行された時のことをシミュレーションしてみます。

有識者の間で既に言われていることが、

企業は従業員の残業代を払わなくて済みますので、

成果が出るまで何時間でも働かせることができるようになってしまう、

残業時間に歯止めがかからない、といった懸念です。

 

つまり、残業代を払う必要がなくなるため、

経営側は社員にどんどん仕事を持ち込んでくるでしょう。

これが負のスパイラルを招くことになります。

 

どういうことかというと、今の営業の評価基準は「どれだけ売上を上げるか」であり

売上のノルマが設定され、売上金額が多い社員ほど評価されます。

したがって、社内の制作・生産部隊の残業代が時間給でなくなれば

いくらでも働かせることができることになるため、

自分の手柄のために、営業マンは売上高を伸ばすために

ゴミクズ案件でも集めてきます。

 

そうすると社内の部隊は利益の出ないゴミクズ案件も処理することになり

一層仕事が忙しくなってしまう、という流れになります。

これが、残業代ゼロ法案が施行された時には、もしろ会社全体の残業時間が増える理由です。

 

この負のスパイラルを打開するには、成果給を逆手に取って

営業の評価をキチンとした成果給で支払うことです。

 

これはどういうことかというと、これまでの日本スタイルの営業は

売上高の数字を基準に評価されてきましたが、

これからは利益率の数字を基準に評価を変えることです。

 

利益率の数字を基準に変えることで、

メーカーは無駄な生産ロットを作らなくなる、

営業は利益率の低いゴミクズ案件を集めなくなる、

結果、利益にならない仕事(量)が減り、会社全体に

利益率の高い案件ばかり残り、

社員は残業をしなくとも定時で仕事を終えられるようになり

一方で会社は利益率が向上します。

 

これまでの日本企業はあまりにも売上高重視の営業スタイルを取り

高度経済成長の頃は「売れば何でも売れる」時代で

とにかく作れるだけ作るというのが当たり前の考え方だったのが

バブルがはじけ、リーマンショックを経験し、

「市場に売っても売れずに残る」時代に変わりました。

この低成長時代では、売上高は伸び続けても、利益率が

それに比例しなくなり、いずれ会社は倒産します。

 

売上高重視主義の会社は未だ多数を占めていますが、

これからもこのようなビジネスモデルを使っていると

社員は疲弊するばかりで、かつ会社にも利益が残りません。

一刻も早くこの勘違いに気付いてもらいたいです。

 

私も日本がこの先利益率重視に経営者の思考が

切り替わるよう呼びかけていきたいと考えています。